***31.oct.2005
習慣性角膜上皮剥離のきっついのに襲われた。
視野の白濁に続き異物感の後、突き刺し引き裂くような激痛、同時に頭痛と嘔吐感、激痛にはね上がり息つまって声あげる。眼球が不随意に微動運動をする、まぶたの裏でぐるりと動いてしまう眼球を意思でとめられない、これは拷問だ。
痛みというのは痛んでいる人の痛んでいる間しかわからない。 痛みはいつも独立して在るのだ。
病院で診察を受けるも一向に症状やまず。薬が効いてくるとメダマが燃えるような痛みに変わる。 夜もう一度別の病院を探して連れて行ってもらう。受付の足元にグレーの塊があって、時々無理に開く目から入る光をつなぎあわせてだんだんとそれが犬らしいとわかってきた。動かないし鳴かないので生き物じゃないとわかったが、まるで本物みたいだ、と、ぼやぼやにぼやけた画像を得て思う。
処方箋を待つ間、そっとその犬に触れてみた。硬くて、毛並みの表現なのか櫛跡が全身につけられていて、指でたどると、すごくきつく立体的段差があるんだな、と思った。目が見えなくなったら、こういう立体的段差のめりはりのあるものをさわるのがおもしろくなるんだなと思った。目が見えない友人たちと行動しても彼らの「感じ」がリアリティに届かないもどかしさを感じてきたけれど、今日は、彼らと同じ内側からリアルに「感じ」ることができたと思う。ようやく、ちょっとだけ。
痛みは度を越すと精神錯乱を起こす、と言っていたけれど、それも内側からリアルに感じる。
...a day before.....*+*+*+*+*....a day after.....