***06.sep.2006
今行かないと、また行き逃すかも、と思い立って、午後から東大の駒場博物館に行く。
「光の世界」展。
小学生にもわかる、と書いてあったけれど、ううむ、全然こどもっぽくない、子供に媚びないよい展示であった。だいたいね、言葉を優しくするとか、文字を大きくするとか、そういうことじゃないと思うのよね、こどもコンシャスなメッセージというのは。時に、むつかしいもんだ、と威圧感があるくらいでいい。三層ぶんの高さのある展示空間の奥正面情報にRGBの色影がぼんやり浮かんでいるのはなんだろう、と見回してもどこかにステンドグラスがあるようでもないし、プリズムが仕掛けられている感じでもない。ハテ、と思いながら展示室を回り込むと、大ガラス/東京バージョンがあって、RGBのスポットライトが照射されているのだった。これを最初に見たのは本郷の博物館だったけれど、ううむ。ここに置いてある意味がちょっとわからない。1994年、デュシャン作品を見るためにフィラデルフィア、シカゴ、ニューヨークを回った時をなつかしく思い出す。フィラデルフィア美術館のウイングの最奥で、縦長のガラス窓から夕方にさしかかる前の日差しにはじける中庭の噴水の水しぶきを、疲労が肌から抜けて行く心地よい脱力感とともに、大ガラスの「本物」ごしに、いつまでも眺めていた。その晩、ホテルで幽霊と格闘し、夜明けとともに飛び出してニューヨーク行きの電車に逃げ込んだ。あ、今はこの話をしてるんじゃないか。


...a day before.....*+*+*+*+*....a day after.....